あしや千種人形略年表
- 昭和26年
- 兵庫県連合会婦人会のお稽古として作られる。
小萩人形を元に荒木良が千種人形として完成させる。 - 昭和29年
- 初代廣瀬勝代が芦屋手工芸協会設立
- 昭和33年
- この年より千種会も一員として東京三越
- 昭和36年
- この年より大阪大丸にて毎年出品
- 昭和58年
- 荒木良(1900~2001)が二代目会長に
- 昭和63年
- この年より芦屋大丸に毎年出品
あしや千種人形とは
千種人形は、山口県萩市に疎開していた主婦が戦後間もなく芦屋に小萩人形を兵庫県芦屋に持ち帰ったのが始まりです。
昭和二十六年、兵庫県連合婦人会でお稽古が始まり、私共の師、荒木良 (1900~2001)が工夫を重ねていきました。
萩の庶民の風俗を主題とした小萩人形に対し、芦屋の気風に合わせ、品の良さを追求した艶やかな四方人形として完成させました。そして、当時の兵庫県連合会婦人会長 廣瀬勝代により『千種人形』と名づけられました。
あしや千種人形において象徴的なのがうなじの部分。
丁寧に磨きをかけてつやっぽく仕上げるのですが、うまくできるようになるまでには3年を要するといわれています。
それだけの年月を
要して、実感として「こういうことだ」と分かるのです。
師、荒木良氏の指導はすべて口承伝承です。
あしや千種人形作りは趣味の人形作りとは違い、「道」の追求でもあります。
装身具、櫛、かんざし、小物は全て手作りです。
人形の背丈は約10cm、手のひらに乗る小さな人形です。
古来人形は、人間のあらゆる災害を受け止め、人の身替りになり、人々にこよなく幸せをもたらすと言い伝えられております。人々の幸せを祈りながら、半世紀にわたって歴史ある千種人形を心を込めて作り続けています。
多様なメディアの溢れる存在、昔話や日本古来の風俗、伝統、行事について多くの情報を得ることは簡単です。
しかし、真心を込めて作る一体の人形は、人々の心に昔懐かしい郷愁を蘇らせ、子どもたちにはより深い何かを伝えてくれるものと願っております。